子どもがいる家の防災備蓄リスト|停電・断水に備えて用意したいもの
食事を出し、おむつを替え、トイレへ連れていき、夜は眠れるようにする。
子どものいる家では、水や電気が止まっても、そのお世話が続きます。
防災セットを1つ買えば、いつもの暮らしを全部まかなえるわけではないんですよね。
家族の1日を思い浮かべて、食事・水・トイレ・体温を保つ備えを揃える。
季節や住まいに合わせて足すものも見ながら、家族が実際に使える物を揃えていきましょう。
子どもがいる家の備えを考える
2026年夏の熊本県の地震では、広い地域で水が出なくなりました。
地域へ水を送る太い管をひとまず直すまで、地震から約1か月かかったのです。
家の敷地内の管は、別に直す必要がある場合もありました。
同じ年の8月には千葉県の大雨でも水道管が壊れ、千葉市で水を使えなくなった家があります。
原因が地震でも大雨でも、水が出なければ食事の片付けやおむつ替えのあとに困るのは同じですね。
飲む水を家族分置いたら、次は洗えない日の拭き取り用品と処理袋、携帯トイレへ。
普段のお世話を順に思い浮かべると、何を足すかが具体的になりますね。
大人用の非常食が十分でも、子どもが食べられず、おむつ替えにも困るなら、その家の備えとしては足りません。
朝起きてから眠るまでを、いつもの順番で思い出してみてください。
子どもが寝たあとも必要な灯りや、夜中に取り替える袋は、品目を並べただけの買い物メモでは抜けがちです。
飲み水を用意していても、食器を洗う、おむつを替えたあとに手を清潔にする、汚れた服を洗う、といった作業にも水を使います。
断水中は、普段と同じ手順でできないことが増えます。
洗うものの予備だけでなく、水を使わず済ませる用品も用意する。
用途に合った拭き取りシート、ラップ、処理用の袋などを、お世話の順番で並べてみましょう。
使える部位や対象年齢は製品ごとに確認し、普段に一度試しておくと選びやすくなりますね。
家で過ごす備えと持ち出す物
自宅が安全であれば、家に備えた水や食品を使って過ごす選択があります。
一方、建物の損傷や浸水、土砂災害の危険があるときには、安全な場所への避難が先です。
備蓄が多いことを、家へとどまる理由にはしないでください。
子どもを連れて移動するなら、持ち出す水や食品、おむつ、連絡手段を取り出せる場所へ。

家族が別の場所にいるときの連絡方法や、地域の避難情報も確かめておきたいですね。
暑さと寒さは季節に合わせて備える
停電すると、いつもの冷暖房を使えなくなる場合があります。
暑い時期は、水分や涼しい服装に加え、安全に暑さを避けられる行き先も考えます。
寒い時期は、家族に合う防寒着や毛布、厚手の靴下などを取り出せるようにしておきましょう。
徳島市の非常持ち出し品の案内でも、季節に合わせた中身の入れ替えが紹介されています。
季節の変わり目に、子どものサイズと一緒に見直す。

室内で安全に過ごせないなら、道具だけでしのごうとせず、自治体の案内などを確かめて移る判断も必要です。
食事とトイレを先に数える
公的な備蓄の目安は、まず3日から1週間分です。
子どもが食べられるものや、毎日使うおむつなどは別に数えておきたいですね。
赤ちゃんのおむつやミルクを3日分でいくつそろえるかは、こちらにまとめました。
- 飲料・調理用の水を1人1日3Lで数えると、4人家族の3日分は36L、1週間分は84L
- 食事は人数×1日3食×日数を基本に、おかずや乳幼児の食事も別に見ます
- 携帯トイレは1人1日5回なら4人で1週間140回です
ご飯を炊けるか、缶切りや食器が要るか、使った袋をどこへ置くかまで揃えておきましょう。
箱に書かれた日数を、家族全員の日数と読み違えないことも大切です。
この表は、4人家族の3日分と1週間分の数を買い物の前に見返すときに使ってください。
| 品目 | 1日の数え方 | 3日分 | 1週間分 |
|---|---|---|---|
| 飲料・調理用の水 | 1人3L | 36L | 84L |
| 食事 | 1人3食 | 36食 | 84食 |
| 携帯トイレ | 1人5回 | 60回 | 140回 |
| 紙おむつ(子ども1人) | 6枚の場合 | 18枚 | 42枚 |
| 離乳食 | 普段食べる量 | 普段の3日分 | 普段の1週間分 |
食事の数と、トイレとおむつの3日分は、1日の数え方に日数を掛けた目安です。
長期保存水
飲料・調理用の水を、家族の人数と日数から揃えます。
長期保存の表示があっても、期限、容器の傷、置き場所は定期的に確認してください。
大きな箱を1か所へ高く積まず、取り出しやすさと収納の強度も見て分けておきたいですね。
浄水器は、使える水や除去できるものを確かめてから、補助の道具として選んでくださいね。
アルファ米・レトルト食品
食べ物は「お湯も電気もなくても食べられるか」で選ぶと失敗しません。
アルファ米は水を注ぐだけでご飯になりますし、レトルトのカレーや丼の具は、温めなくてもそのまま食べられるものが増えました。
味の好みは家族によって違うので、いきなり大量に買わず、まず何食か試してみて、口に合ったものを買い足していくやり方が失敗しにくいはず。
保存パン
水や加熱が要らない主食を、朝食に用意しておきたい家庭の選択肢です。
掲載品の保存期間と原材料を見て、まず家族が食べられる味かを試します。
パンだけでは口が渇きやすい人もいるため、飲み物と一緒に普段の朝食へ。
1缶で何人分になるか、子どもが食べ切れるかを見てからケースへ増やしましょう。
カセットコンロ
都市ガスや電気を使えないとき、加熱する手段の候補になります。
コンロが指定するボンベを使い、窓を開けるなどして換気し、火の扱いにも気をつけてください。
テント内や車内などの狭く閉じた場所では使わず、ボンベを覆う大きな鍋の使用も避けましょう。
製造年月や、さびがないかを確かめ、普段の鍋料理にも使いながら補充しておきたいですね。
簡易トイレ
便座で使える袋と排泄物を固める薬剤を、家族が使う回数に合わせて用意します。
1人1日5回なら4人家族の1週間は140回、100回セットでは5日分です。
夜間の灯り、介助のしやすさ、使用済み袋を置く場所も一緒に確認してくださいね。
モバイルバッテリー
停電で真っ先に困るのが、スマホの残量です。
家族への連絡や給水場所の案内を確認したいとき、スマホの充電先があると助かりますよね。
充電したいスマホとケーブルを並べ、手持ちのバッテリーで何台をどのくらい充電できるか試します。
家族のスマホを同時に充電できないなど、不足がわかったら、その分だけ追加しましょう。
赤ちゃんのお世話を続ける
おむつや離乳食は、大人用の備えでは代用できません。
普段1日に使う数から、備えたい日数分を数え、成長でサイズや食べる形が変わるたびに入れ替えます。
おしりふきも、手や口に使えるか、身体用かを商品表示で分けてください。
液体ミルクを選ぶときは、飲ませる容器や、その容器に合う乳首も含めて、授乳1回の手順を確かめておきたいですね。
紙おむつ・おしりふき
必要なおむつは、今のサイズと普段の1日の使用枚数から数えます。
たとえば1日6枚なら1週間42枚ですが、実際の交換回数に合わせて補ってください。
おしりふきを手口や身体へ使えるかは製品表示で確認し、月齢や肌に合うものを回しましょう。
おむつの防臭袋
見落としがちですが、真夏の断水ではかなり切実な問題になります。
ゴミの収集が止まった部屋に、使用済みのおむつが溜まっていく。
使用後は対応する防臭袋に入れ、回収まで保管する場所も決めておきましょう。
携帯トイレの袋を入れる場合も、メーカーが認める用途と袋のサイズを確かめ、無理に詰め込まないようにしましょう。
液体ミルク・使い捨て哺乳瓶
液体ミルクは調乳をせず使えるものですが、飲ませる器具の準備は別に必要です。
消費者庁の案内に沿って、表示された保存方法と使用方法を守り、飲み残しは次へ回さないでください。
使い捨て容器も全商品が洗浄・消毒不要とは限らないので、開封から授乳までの手順を確認します。
普段の授乳に合わせ、必要な備えは助産師などへ相談して揃えましょう。
離乳食・子どものおやつ
離乳食の時期の子は、大人の非常食が食べられません。
ここも代わりが効かないので、パウチの離乳食を月齢に合わせて1週間分。
それから、おやつを忘れずに。
甘いものの力は、大人が思っているよりずっと大きいんですよ。
余震で眠れない夜に、好きなお菓子がひと粒あるかどうか。
子どもの心の非常食だと思って、備蓄に混ぜておいてあげてください。
充電や暑さ・寒さへの備え
電源は「何日もつ」だけで選ばず、使う機器に必要な電力をWの表示で調べ、何時間使いたいかも確認します。
ソーラー充電は天候、設置場所、パネルの枚数でも変わるため、毎日同じ量を補えるとは限りません。
タオルや氷のう、体拭きは、それぞれ冷やす・清潔にする補助の道具です。
暑い部屋にとどまる理由にはせず、室温と家族の様子を見て涼しい場所へ移ってくださいね。
ポータブル電源
灯りや通信、家族が必要な機器から、同時に動かせる家電と、ためられる電気の量を確かめて選びます。
ソーラーパネルがあっても、天候や設置条件で充電量は変わり、停電中ずっと家電を使える保証にはなりません。
お湯を沸かす機器などは大きな電力が必要なので、定格出力と使える時間を個別に確認してください。
医療機器等の用途はメーカーの禁止事項に従い、必要な電源を医療者や事業者と相談しておきましょう。
充電式サーキュレーター
ポータブル電源まではまだ、という場合の現実的な一台がこれ。
コードレスのサーキュレーターなら、コンセントが死んでいてもそのまま卓上で回せます。
静音タイプを選んでおくと、寝室に置いても眠りの邪魔になりません。
首振りで空気を動かすだけでも、汗の乾き方と寝苦しさはずいぶん違ってきますよ。
冷感タオル・氷のう
冷却用品は身体を冷やす補助として用意します。
濡らす水や氷が必要かを確認し、氷を作れない停電時にも同じように使えるとは考えないでください。
肌への当て方は表示に従い、冷やしすぎや長時間の接触を避けましょう。
汗拭きシート・体拭き
洗えない日の身体を拭くため、用途に合うシートを用意します。
おしりふきなら全ての人の全身へ使えるわけではないので、年齢と肌への注意を確認してください。
乾燥しないよう蓋を閉じ、清潔な面を使って、普段から使い心地を試しておくと安心ですね。
LEDランタン
停電した夜、スマホとは別に明かりを確保する候補です。
点灯時間は明るさの設定でも変わるため、必要な場所でどのくらい使えるか確認します。
充電式や乾電池式、ソーラーを組み合わせても、必ず明かりを切らさず済む保証にはなりません。
充電と予備電池を普段から点検しておきましょう。
携帯ラジオ
通信の基地局が止まると、スマホの情報は途切れます。
通信の混雑やスマホの電池切れに備え、ラジオでも情報を受け取れるようにしておくと選択肢が増えます。
スマホへ給電できるタイプもありますが、充電量や必要な操作は製品ごとに確認してください。
ラジオを聴く電池とスマホを充電する分を、一緒に使い切らないようにしておきたいですね。
マンションや離れて暮らす親の備え
集合住宅では、給水ポンプとエレベーターが止まったときの階段移動まで考えます。
家に水があっても、重い箱を奥へしまって取り出せなければ使いにくいものです。
離れて暮らす親には、実際に持ち上げられる水の容器と、薬や連絡先を確認しておきましょう。
いつもの薬は、主治医や薬剤師と相談し、お薬手帳も持ち出せる形にしておきます。
家族全員に同じセットを配るより、普段どんな手助けが必要かを聞くほうが不足を見つけやすいですね。
今夜のお世話から確かめる
夕食、片付け、歯磨き、トイレ、寝かしつけ。
今夜の順番で「水や電気が止まったら、代わりに何を使うか」を家族で1つずつ挙げてみましょう。
おむつ替えはできても処理袋がない、灯りはあっても置く場所がない。
買った物の数だけでは気づかなかった不足もわかり、次に買う物を決めやすくなります。
おむつや授乳用品の備えは、お子さんの月齢と普段の使い方に合わせて確かめておきたいですね。
買うものだけでなく、季節に合う避難先と連絡の取り方も決めておく。
いつもの食事やおむつ替えで何を使っているか、今日の暮らしを見ながら少しずつ揃えていけそうですね。
食品・水・日用品をまとめて見直すなら、2週間分の備蓄の記事で、家族の人数と収納に合わせて確認できます。
備えの目安と地域の情報
備蓄量は政府広報の防災案内、飲み水は農林水産省の水の備えが参考になります。
熱中症が疑われるときは、環境省の応急処置に従い、涼しい場所への移動と身体の冷却を行います。
呼びかけへの反応がおかしい、自力で水を飲めない、症状が改善しないときは119番へ連絡してください。
意識が悪い人に無理に水を飲ませず、救急車を待つ間も冷却を続けましょう。
発災時は、避難や給水、ごみの処理について住んでいる自治体の案内を確認してくださいね。








