ホームセンターの棚から、ペイント薄め液(シンナー)の缶を次々とカートに詰め込んでいく女性。

その動画のサムネイルには、こんな派手な文字が躍っていました。

「このやり方パクれば 15分で15,000円は余裕です」

 

「月利50万→ せどりママ」

2026年4月下旬、X上で大炎上したある動画の話です。

子育て中の主婦を名乗るYouTuberが、品薄になっているシンナー類をホームセンターで買い占め、メルカリなどで高額転売する手口を「ノウハウ」として公開していたんですよね。

2026年春には、中東の争いの影響で、シンナーなどの原料が届かなくなる心配が広がっていました。

ただ、その後は原料の入荷が回復しています。

春の品薄を、今も続いている話として読まないようにしたいですね。

塗装業者さんも、模型ファンも、DIY愛好家も「シンナーが買えない」と悲鳴を上げているまさにその瞬間に、ですよ?

正直、ムカついたって人は多いと思います。

「ママの副業」を売りにした派手なコンテンツが、なぜここまで大炎上に至ったのか。

家で使う分を少し置いておく備蓄と、ほかの人が買えなくなるほど集めて高く売る行為は、何が違うのでしょうか。

せどりママ薄め液動画の大炎上

事件の発端は、あるXユーザーの投稿でした。

「これは超えてはいけないラインを超えてる」

「インフラを支えてる業者に迷惑をかけるような仕入れは絶対にやらない」

というシンプルな投稿に、問題の動画のサムネイル画像を添付したのです。

この投稿が広まり、商品を仕入れて売る人たちの間でも、やってよいことなのかと批判が集まりました。

 

問題のYouTube動画は、「プロせどらー養成学校@なつき」というチャンネルで投稿されたもので、運営者は「せどりママ」を名乗る子育て中の主婦。

動画の内容は以下の通り。

イランをめぐる争いで原料が届きにくくなることを理由に、ホームセンターで品薄になった塗料用シンナーを大量に買う方法を紹介していました。

15分で15,000円の利益が出せ、月利50万円を目指せる、と謳っていたわけです。

具体的には、ホームセンターの棚からシンナー缶を次々とカートに詰め込む様子を撮影。

「イランの戦争で供給が不安定」「今がチャンス」と煽り、メルカリやヤフオクでの高値転売を推奨。

介護用ニトリル手袋などの関連資材を同時に狙う手法も示唆していたとか…。

中国からやってくる転売ヤーレベルの厚顔無恥ですよね。

X上では数時間で数万件の反応が殺到し、ほぼ全面的な批判一色となりました。

  • 「塗装職人や建設業者が困ってるのに、母親が小遣い稼ぎで買い占め?」
  • 「マスク時代と同じ。自分だけ得すればいいスタイルが嫌い」
  • 「子供に誇れる仕事か?」

動画は即座に非公開化され、チャンネル全体の閉鎖の可能性も取り沙汰される事態に。

特に印象的だったのは、ホームセンター勤務者から「最近薄め液の問い合わせが急増していたのはこれか…」という実体験談が寄せられていたこと。

模型・プラモデル愛好家からは「積みプラ溶剤が買えなくて困っていた」という生々しい声も。

ネットで批判が集まっただけでなく、店頭でも買えない人が出ていたんですよね。

必要な業者や愛好家が買えずにいる物を、大量に買って高く売ることに、批判が集まったのでしょう。

 

そして、今回はせどりママの動画が炎上したに過ぎず、同じことをしている仲間も大勢いることも伺えます。

このようなせどり仲間がたくさんいることが、一般的な消費者たちの不満へと繋がっているのかも知れませんね。

広がる『教える側』の存在

X上で広がっているのが「せどりママは氷山の一角にすぎない」という見方。

実は、似たような発信スタイルのチャンネルが複数あり、サムネの文言まで瓜二つだったりするのです。

ネット上の発信を見極める場面のイメージ。
ネット上の発信を見極める場面のイメージ。
  • 「15分で1.5万円」
  • 「月利50万」
  • 「子育てママ」
  • 「ホームセンター大量仕入れ」

別々の発信者なのに、同じような売り文句が並んでいたんですよね。

そしてここからが、この問題の本当に厄介なところ。

動画を見て興味を持った人に、有料の教材やオンラインスクールを案内する流れもあります。

  • 「プロせどらー養成学校」
  • 「物販コミュニティ」
  • 「Brain(情報商材プラットフォーム)」など

月額数千円〜数万円で「主婦でも月50万」「危機時の即金テクニック」を教える商品が、実はゴロゴロあるんですよ。

つまり、本人が転売で稼いでいるというより、転売のやり方を売って稼ぐのが本業の人もいるということ。

しかも、こうした商材の中では「個数制限を回避する裏技」「家族名義を使う」「複数店舗を朝から回る」といった、必要な人が買いにくくなるような買い方が共有されている可能性も指摘されています。

今回批判された人のほかにも、同じ買い方をする人や、その方法を教える人がいるわけです。

「ママの副業」を看板に掲げる人が複数いて、商材を真に受けた初心者がさらに増殖していく——。

これでは品薄が悪化するのも当たり前で、X上の不満が爆発するのも納得という他ありません。

2026年春のシンナーの品薄背景

では、2026年春には、どんな供給の混乱があったのでしょうか。

これ、単純な物不足じゃなく、中東で起きた争いの影響なんですよね。

店頭の品ぞろえを考えるためのイメージ。実際の店舗ではありません。
店頭の品ぞろえを考えるためのイメージ。実際の店舗ではありません。

きっかけは、2026年2月末に起きた中東情勢。

米国・イスラエルがイランを攻撃し、その報復としてイランがホルムズ海峡を事実上封鎖しました。

中東情勢を受け、日本で進められたのが原油の代替調達です。

政府資料によると、春はほかの地域から原油を買う量が少なかったものの、夏には回復しています。

日本は、中東からの原油輸入に大きく依存してきた国です。

ただ、情勢悪化後には代替調達が進み、秋の状況は春と分けて見る必要があります。

 

封鎖の影響で、原油もナフサも輸送が滞り、価格が一気に高騰。

ナフサは石油から作られる原料で、シンナーや塗料のほか、プラスチックやゴム、医療用品などにも使われます。

ナフサが届かなくなると、身近な物を作るための材料も足りなくなるおそれがあるのです。

具体的にどれくらいヤバいかと言うと、日本ペイントは3月19日発注分からシンナー類を75%値上げすると正式発表。

75%って、ほぼ倍近い値段になるということですからね。

ホームセンターでは入荷制限・個数制限が相次ぎ、塗装業者さんや模型愛好家、建設現場では「もう買えない」「販売終了」という悲鳴が連鎖的に広がっていったのです。

4月に入ってからも状況は改善せず、塗装業の倒産増加や現場仕事の停滞も報告されています。

 

現場の声もなかなか切実で、塗装職人さんからは「数ヶ月分の確保もできない」「現場の仕事が止まる」との訴え。

模型ホビー層からは「物理的な爆死やめて」「積みプラを塗装する溶剤がない」という嘆き。

養生テープやニトリル手袋など、関連資材まで連鎖的に品薄が広がっているという報告もありました。

原料が届きにくくなった春には、商品を届ける量を制限するという企業の発表も出ています。

ただし、個別の店の品薄を原料不足だけで説明したり、その状態が秋も続いていると決めつけたりはできません。

そんなタイミングで、メルカリやヤフオクには通常の数倍価格で出品される転売品が氾濫し始め、品薄をさらに悪化させる悪循環へと繋がったわけです。

業者が必要としているものを、個人が買い占めて高値で売り捌くという構図は、コロナ禍のマスク騒動を強烈に思い出させる風景ですよね。

そしてその真っ只中で、せどりママの動画が「今がチャンス」と煽った——これが今回の事件の構造ってわけ。

事情を知れば、擁護の余地ゼロだと感じる方が多いんじゃないかな、と思います。

メルカリの放置体質に対する素朴な疑問

ところで、メルカリってこういうの放置していいんでしょうか?

実はメルカリ公式のヘルプには、ちゃんと書いてあるんですよ。

「危険物や安全性に問題があるもの(花火・灯油・毒劇物など)は出品禁止」と。

シンナー類も、明確に出品禁止物に該当するという運営の回答も確認されています。

それなのに、現実にはどうなっているのか?

 

メルカリやヤフオクには、シンナー類の高額転売が並び、コメント欄での通報や指摘があっても、すぐには消されない事例が多発しているんです。

禁止のルールがあるのに、出品は残ったままでした。

マジで腹立つ話ですよね。

実業家の三崎優太氏も、SNS上で「詐欺も転売も売上になる」と売買の場を運営する会社の、利益を優先する姿勢を痛烈に糾弾していました。

要は、メルカリは手数料収入で成り立っているビジネスで、転売であれグレーな取引であれ、売れれば手数料が入る構造になっている。

だから「中立を装って、ルールはあるけど厳しく取り締まらない」という見え見えの建前が成立しているんじゃないか——という指摘なのです。

 

過去を振り返れば、メルカリやヤフオクが「危機時の転売の温床」と批判された事例は、これが初めてではありません。

具体的には、こんな騒動の繰り返し。

  • コロナ禍のマスク・消毒液騒動
  • 2025年の令和の米騒動
  • 任天堂Switch2の高額転売
  • ニトリル手袋やトイレットペーパーの買い占め

品薄になるたびに、売買サイトへ高額な転売品が並び、仕事や家で使いたい人が買えなくなる。

同じことが繰り返されてきました。

その都度「メルカリ何やってるんだ」と批判が上がるものの、根本的な改善は見られないまま、また次の危機を迎える。

この繰り返しに、世の中の善良な人たちは正直、相当うんざりしているんじゃないでしょうか。

 

助け合おうと言われても、実際には買い占めて高く売る人が利益を得てしまう。

その食い違いに、やりきれなさを感じます。

テレビメディアでは「冷静な対応を」と言うけれど、現場ではすでに必要なものが買えない人たちが大勢いる。

政府も「規制強化を検討」と毎回言うけれど、結局なし崩しに次の危機がやってくる。

もちろん、なにか悪役を作って糾弾するつもりはありません。

ただ、ルールがあるのに守られない・批判されるのに改善されないという構造に深いモヤモヤを感じてしまうんですよね。。

こうした問題がすぐに解決しないからこそ、家族が普段使う物は、使い切る前に少しずつ補っておきたいです。

これが、今の時代の現実的な選択肢なのかもしれませんね。

シンナー転売は法律的にもアウトでは?

そもそも、これって法律的にOKなのでしょうか?

調べてみると、シンナー転売はかなりグレーどころか黒に近い行為だったりします。

消防法上の危険物指定

塗料用シンナー・薄め液は、消防法の第4類危険物(引火性液体)に正式に分類されている品目。

「火災を起こしやすい液体」として、国が扱いを厳しく定めているカテゴリなんです。

ホームセンターで買える物でも、大量に置くなら、まず保管についての決まりを確かめてください。

 

指定数量と保管届出のライン

ラッカーシンナー類は、40L以上を保管すると消防署への届出が義務になります。

16L缶を3つ買って自宅に置いた時点で、もう届出ライン突破。

無届出のまま保管すれば、それだけで消防法違反というわけです。

 

配送問題と法的グレー

そしてメルカリで売れたとして、どうやって送るのか?

ヤマト運輸も日本郵便も、危険物としてシンナーの取り扱いを原則拒否しているのが現状。

それなのに「発送可能」と記載して出品しているケースが、なかなか問題視されているんです。

加えて、無許可販売は毒物及び劇物取締法違反(3年以下の懲役 or 200万円以下の罰金)の可能性も。

「ママの副業」という軽いノリでやっていた行為が、実は複数の法律に触れかねない重大なものだった、というのが現実の話なんですよね。

売れ残ったシンナーはどこへ行くのか

もう一つ、考えるとゾッとする話があります。

大量に買い占めたシンナーが売れ残ったら、転売ヤーはどうするのか?

X上では、こんな懸念の声が次々と上がっているんですよ。

「処分できないからって洗面台の排水口に流すとか起こり得るのでは…」

「川にドボンする転売ヤー、絶対出てくる」

これ、笑い事じゃないんです。

建築用・工業用のシンナーは、家庭の排水管(PVC管)を化学的に溶かす強力な溶剤。

排水口に流せば、数時間から数日で配管に穴が空き、漏水。

マンションだと配管全交換で、修繕費は数百万から千万単位になることも。

しかも「故意の不法投棄」なので、火災保険も住宅総合保険も適用外。

全額自己負担という、なかなかの地獄です。

下水処理場に流れ込めば、汚水を分解する微生物が死滅し、処理機能が停止。

未処理の汚水が河川や海に流出すれば、魚の大量死や水質汚染という環境テロ級の被害に発展しかねません。

不法投棄は廃棄物処理法違反で、5年以下の懲役または1,000万円以下の罰金。

プロの塗装業者なら知っている適切な処分方法も、転売目的で買い占めた素人は知らない可能性が高い。

「安く仕入れて高く売る」だけが目的の人たちが、売れ残った危険物をどう処分するのか——。

炎上の本当の余波は、これから来るのかもしれませんね。

危機時に繰り返される買い占めの歴史

過去にも、不安が広がるたびに買い占めが起きてきました。

まずは、お年寄りに聞けば誰もが思い出す、1973年の第一次オイルショック。

トイレットペーパーが全国の店頭から一瞬で消えた、あの伝説的な騒動です。

実はトイレットペーパーの原料はパルプで、当時の国内生産率は98%、石油には依存していなかったんですよ。

それなのに、大阪のスーパーの特売の品切れがきっかけで「足りなくなるかもしれない」という噂が報道で増幅され、全国規模のパニック買い占めに発展。

塩・砂糖・洗剤にまで波及し、消費者物価年率2割超の「狂乱物価」を招いた、なかなか苦い歴史。

結局、モノが本当に足りなくなる前に、足りなくなるかもしれないという心理がパニックを生むんですよね。

 

次に、記憶に新しい2025年の令和の米騒動。

生産量は平年並みか、むしろ微増の傾向だったといわれています。

それなのに、天候の影響や訪日客向けの需要増加、JAに集まる米の減少、高く売るために米を抱える動きなどが重なり、店頭価格は2倍近くまで高騰、品薄状態が長期化しました。

政府は当初「不足を認めず」放出に消極的でしたが、最終的には合計59万t超という過去最大級の備蓄米放出に踏み切る異例の事態に発展。

品薄の背景は、実際の供給量や流通の問題、不安による購入の集中など、その都度確かめる必要があります。

 

そして2020年のコロナ禍におけるマスク騒動も外せません。

政府は「マスクは十分にあります」と繰り返したのに、店頭からは一斉にマスクが消え、転売屋が暗躍し、最後には布マスクが急いで配られる事態に。

このときも、メルカリやヤフオクで通常の数倍価格の転売品が氾濫し、必要な医療従事者や高齢者が手に入れられないという、2026年春のシンナー転売騒動と瓜二つの構図が起きていましたが、私もクソみたいな中華製使い捨てマスクを5000円で買ったのは良い思い出です。

 

これら3つの過去事例には、共通点があります。

過去の品薄を一括りにはできませんが、不安から買い急ぐ人が増えれば、必要な人へ届きにくくなる場合もあるでしょう。

そして、SNS時代である今、この拡散スピードは過去とは比較にならないほど速くなっています。

  1. 危機が見えたら、瞬時に買い占めが始まる。
  2. プラットフォームには即座に転売品が並ぶ。
  3. 業者や本当に必要な人が買えなくなる。

このパターンが、もはや日本社会の「お決まりの流れ」になってしまっている、と言っても過言ではないのかもしれません。

今回も、ひとりの行為だけでは終わらず、品薄になるたびに同じことが起きている問題に見えてきます。

不安に押されて買い集める前に、家で使う分がどれだけあるかを見る。

私たちの備えは、そこから始めたいですね。

備蓄と買い占めは何が違うのか

2026年春の原料供給の混乱と、秋の状況は分けて見たいところです。

10月2日の政府資料では、ナフサ由来の化学製品の供給は安定に向かい、メーカーや流通の途中に置く在庫も、普段の2か月分へ戻ったとされています。

春の品薄情報を見て、今から何でも多く買う必要はありません。

家庭の備えなら、普段使う品物の残りを確認し、次に使う分を少し残しておく。

使う予定のない品物を集めるより、食料や衛生用品を無理なく補い続けるほうが、家族の日々を支えます。

ここまで読んで「うちもナフサ不足が心配で備蓄を始めようと思ってたんだけど、これって転売ヤーと同じになっちゃうの?」と不安になった方、いるかもしれません。

でも、そこはご安心を。

家族のための備蓄と、転売目的の買い占めは、まったく別物ですから。

家で使う予備を、置ける範囲で備える(イメージ)。
家で使う予備を、置ける範囲で備える(イメージ)。

何のために、どれだけ、どう買うか。

そして、ほかの人も買えるか。

違いを順に見てみましょう。

ひとつ目は、目的の違い。

  • 備蓄は「自分と家族を守るため」
  • 買い占め転売は「他人の困窮を踏み台にして、自分の利益を得るため」

ふたつ目は、規模の違い。

  • 備蓄は「家族で使い切れる量」
  • 買い占めは「店舗の棚を空にして、他の人が買えなくなる量」

みっつ目は、継続性の違い。

  • 備蓄は「普段使い、減った分を少しずつ買い足すこと」
  • 買い占めは「一度に大量に買い、すぐ高値で売ること」

よっつ目は、社会への影響の違い。

  • 備蓄は「個々の家庭が分散して持つことで、いざという時のパニックを防ぐ」
  • 買い占めは「一部の人が商品を抱え込み、買えない人の不安も品薄も大きくする」

 

つまり、政府も内閣府も農林水産省も推奨しているローリングストックは、備蓄の中でも特に賢いやり方なんですね。

買い占めではなく、いつもより少し多めに買って、古いものから使い、減った分を補充する。

この日常の延長線上の習慣化こそが、家族を守る現実的な自衛策になります。

この表は、4人家族の3日分と1週間分の備えを見返すときに使ってください。

品目 3日の備え 1週間の備え 選ぶときの目安
お米・保存パン 家族4人が3日で食べる量 家族4人が1週間で食べる量 缶詰のパンは3〜5年保存できる
非常食セット 3日分のセット 7日分のセット まず1セット揃え、足りない分を個別に足す
フリーズドライ 汁物やリゾットを3日分 汁物やリゾットを1週間分 お湯や水が要る・賞味期限3〜5年
魚や肉の缶詰 3日分のおかず 1週間分のおかず 開けてすぐ食べられる
携帯トイレ 約60〜86回分 140〜200回分 凝固剤と防臭袋がセットのもの
コンタクトレンズ 交換頻度から3日分 交換頻度から1週間分 使用期限と眼鏡も確かめる

携帯トイレの3日分は、4人で1週間140〜200回分をもとにした目安です。

具体的に、家族のために備えておきたい品目をジャンル別にざっと見ていきましょう。

 

お米と保存対策

日本人の主食である、お米。

これがなければ食卓は始まらない、と感じる方も多いはずです。

令和の米騒動の記憶も新しいうちに、しっかり備えておきたいカテゴリ。

 

冬眠米

冬眠米とは、特殊な真空パック技術や脱酸素剤を使って、お米を長期保存できるようにした商品。

通常のお米が精米から1〜2ヶ月で風味が落ちていくのに対し、冬眠米なら数年単位で美味しさをキープできるのが特徴です。

備蓄としても、いざという時の主食として役立つ選択肢ですよね。

 

米の保存袋

普段から食べているお米を、自宅で長持ちさせる方法も覚えておきたいところ。

専用の米保存袋(脱酸素剤入りや真空タイプ)を使えば、虫害や酸化を防ぎながら数ヶ月単位で保存可能になります。

特に夏場の高温多湿環境では、米の劣化が一気に進むので、保存袋の活用はかなり効果的。

普段のお米を備蓄に活かす、地味ながら賢い知恵といえそうです。

 

非常食・保存パン

ご飯が炊けない、火が使えない、そんな状況でも食べられる非常食は、防災備蓄の主役級。

最近の非常食は驚くほど美味しくなっていて、災害時のストレス軽減にも一役買ってくれる存在になりました。

 

缶詰のパン

「えっ、パンが缶に?」と驚かれるかもしれませんが、これがなかなか優秀。

缶詰のパンは、ふわふわの食感を保ったまま3〜5年の長期保存が可能で、開けてすぐ食べられる手軽さが特徴です。

子どもからお年寄りまで食べやすく、災害時の心の安定にもつながる「いつもの味」を再現してくれます。

味のバリエーションも豊富で、プレーン・チョコ・コーヒー・オレンジなど、好みで選べるのも嬉しいポイント。

 

フリーズドライセット

フリーズドライ食品は、お湯やお水を注ぐだけで、まるで作りたてのような味が楽しめる優れもの。

味噌汁、リゾット、雑炊、スープ類など、種類も豊富で、栄養バランスも考えられているのが魅力です。

軽量で保存性も高く、賞味期限が3〜5年というのも備蓄向き。

セット商品なら一気に揃うので、選ぶ手間も省けて便利です。

このセットは紹介していた販売店で売り切れです(2026年10月24日確認)。

 

非常食セット

「何を選んでいいかわからない…」という方には、3日分や7日分がパッケージになった非常食セットが手軽。

主食・おかず・スープがバランスよく組み合わされていて、一人分から家族分まで対応した商品が揃っています。

まずは入門編として1セット揃えて、足りない分を個別に追加していくスタイルが、無駄なく揃えるコツになりますね。

 

魚や肉のおかずになる缶詰

非常食は炭水化物に偏りがちですが、たんぱく質をしっかり摂ることが、避難生活の体力維持には欠かせません。

缶詰なら長期保存ができて、開けてすぐ食べられる手軽さも◎。

 

サバ缶

健康志向の高まりで一時期ブームになったサバ缶。

実は出荷停止の動きも一部で報じられているので、見つけたうちに確保しておくのが賢明かもしれません。

DHA・EPAも豊富で、栄養価も高く、味のバリエーションも水煮・味噌煮・トマト煮など多彩。

ご飯のおかずにも、パスタの具材にもなる万能選手です。

 

焼肉缶・牛肉大和煮缶

「災害時にお肉が食べられる」という、ちょっとした贅沢が、避難生活のメンタルを支える効果があるのをご存じでしょうか?

焼肉缶や牛肉大和煮缶は、しっかり味付けされていて、ご飯がなくてもそのままでも美味しく食べられるのが嬉しいところ。

子どもにも喜ばれやすく、避難ストレスの中での「ほっと一息」を作ってくれる存在になります。

 

おでん缶

アキバ名物としても有名な、こてんぐ おでん缶。

牛すじ大根入りやがんも大根入りなど、家庭で作ったような本格的な味が楽しめる優れもの。

そのまま食べてもOK、温めればさらに美味しい。

野菜・タンパク源・出汁が一缶でバランスよく取れるので、避難食としての完成度はかなり高いカテゴリです。

 

電気・水・トイレの備え

電気・水・トイレ。

この3つが止まった時の不便さは、想像以上に深刻なもの。

ナフサ危機だけでなく、地震・台風・夏の電力逼迫など、あらゆる「もしも」に備えるためにも、しっかり整えておきたいところです。

 

ポータブル電源

家庭用コンセントと同じように使える、持ち運び可能なバッテリー。

スマホ充電、夜間の照明、冷蔵庫の継続運転、夏場の扇風機など、停電時にできることが一気に広がる頼もしい存在。

容量300Wh以上、ソーラーパネル対応モデルが現実的なライン。

JackeryやEcoFlow、Ankerといった信頼ブランドが防災カテゴリで人気を集めています。

ただし、停電時に電気を切り替えるUPS機能も、どんな家電にでも使えるわけではありません。

つなぐ家電に使えるか、メーカーの説明で確かめましょう。

 

携帯浄水器

携帯浄水器は、使える原水を確保できる場合に水の備えを補う道具です。

取り除けるものは製品ごとに違い、塩や燃料、薬品が混じった水まで安全にできるものではありません。

飲料水の備蓄と自治体の安全な給水を優先し、補助として使う場合は、原水の条件と除去対象を説明書で確かめてください。

持ち歩くタイプと家族で共用するタンク型では使い方が違うため、人数分を揃える前に、使う場所と1日に必要な量で選びましょう。

浄水器は、人数だけでなく、通せる水の条件も確認しましょう。

フィルター寿命は製品によって幅があるので、購入前にチェックしておくと失敗が少なくなります。

 

携帯トイレ

断水時、トイレが使えなくなる問題は、想像以上に深刻なんです。

携帯トイレ(凝固剤・防臭袋セット)は、家族4人で1週間分なら140〜200回分が目安。

凝固剤と防臭袋がセットになったタイプを選んでおくと、使用後のストレスが軽減されます。

地味な備えですが、これがあるかないかで避難生活の質が天と地ほど変わるので、優先度を上げておきたい品目。

 

防災セット

「何から揃えていいかわからない」という方には、必要なものが一通り入った防災セットが手軽な選択肢。

水・非常食・LEDライト・救急用品・寝袋・防寒シートなどがリュックに収まっていて、玄関先に置いておけばいざという時にすぐ持ち出せる便利さ。

家族人数分を揃えるのが基本で、女性・子ども・高齢者向けにカスタマイズされたセットもあるので、家族構成に合わせて選んでください。

 

コンタクトレンズ

意外と盲点なのがこちら。

ソフトコンタクトレンズにも、石油から作られる材料が使われています。

使い慣れたコンタクトレンズなど、家族専用の用品は、残りと注文にかかる日数を確かめて補充しましょう。

今回確認した資料から、医療資材が一律に不足しているとは言えません。

コンタクトレンズは、家族が普段使う種類と交換頻度、使用期限から必要な予備を考えましょう。

保存液が必要かはレンズの種類によって異なります。

断水で手洗いや洗浄に困る場合に備え、使える眼鏡も確認しておきたいですね。

災害時に眼科を受診するのは現実的に困難なので、ストックは少し多めが安心。

静かに備える人が家族を守る

家族の備えを整えるときは、保管場所や在庫の量を不特定多数に公開しない配慮もしておきたいところです。

一方、災害時の連絡や助け合いまで断つ必要はありません。

家族が使う分を確保しながら、信頼する人や自治体と情報を確かめ合えるようにしておきましょう。

 

収納は取り出す人と場所を共有し、使った分を補充する。

必要な量がわかれば、不安から使い切れないほど買い集めずに済みますね。

 

そしてせどりママ事件で改めて考えたいのが、「超えてはいけないライン」という言葉。

普段なら、手に入りにくい品物を仕入れて届ける仕事が役立つ場面もあるでしょう。

でも、危機時に必要としている人から取り上げてしまう買い占めは、明らかにラインを超えている。

そのラインを守って、家族のためだけに静かに備える人と、ラインを超えて他人から奪う人。

どちらの大人になりたいかは、私たち一人ひとりが選ぶことができるんですよね。

家族が普段使うものを必要な分だけ備え、使ったら補う。

いつもの買い物で少しずつ補っておけば、買い物へ行けない日も家にある物で過ごしやすくなりますね。

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