今年の夏、外に出た瞬間に息が詰まるような暑さが続いています。

私は少し前まで、熱中症対策といえば「水をこまめに飲む」「首に保冷剤を当てる」くらいしか頭にありませんでした。

ところが最近、SNSでも街を歩く人たちの間でも手のひらを冷やすという方法をやたらと見かけるようになったんです。

 

正直に言うと、最初は半信半疑でした。

首や脇の太い血管を冷やすのは聞いたことがあるけれど、「手のひらを冷やして効果なんかあるの?」と。

でも調べてみると、これが消防やスポーツの現場でも取り入れられている、れっきとした方法だったんですね。

 

しかも、凍らせたペットボトルが一本あればすぐに始められるという手軽さ。

今年から私も、駅まで歩く十分ほどの間だけ試していますが、着いたときの汗のかき方がぜんぜん違うんですよね。

実際に手のひら冷却を試した人の声を見ると、その手軽さがよく伝わってきます。

熱中症対策に手のひら冷却?

なぜ今こうして、手のひら冷却が広まっているのでしょうか。

背景にあるのは、年々ひどくなっていく猛暑です。

テレビの天気予報で「災害級の暑さ」という言葉を聞くことも、もう珍しくなくなりました。

そんな中で、お金をかけず、道具もほとんど要らずにできる暑さ対策として注目されているのが、この手のひら冷却なんですね。

強い日差しの街路を、タオル巻きペットボトルを持って歩く女性

やることはシンプルで、手のひらを冷たすぎない程度に冷やすだけ。

たったこれだけで、体の中にこもった熱を逃がしやすくしてくれるといいます。

ここで大事なのは、これが「症状が出てから慌てて冷やす」ためのものではないということ。

暑い場所へ出る前や、体が熱を持ち始める前に使う予防の方法だと考えてください。

夏の練習前のスポーツ選手や、炎天下で働く人たちが取り入れているのも、そういう理由からなんです。

手のひらが体を冷やす仕組み

どうして手のひらを冷やすだけで、体全体が涼しくなるのか。

ここが一番、本当かなと引っかかるところではないでしょうか。

仕組みを知ると、この方法がなぜ理にかなっているのかが、すっと腑に落ちます。

少しだけ、体の中で起きていることをのぞいてみましょう。

AVA血管という特別な血管

開いた両手のひらから淡い水色の涼しげな流れが立ちのぼるイメージカット

手のひらや足の裏、それに頬には、AVA血管(動静脈吻合)と呼ばれる特別な血管があります。

少し難しい名前ですが、これは動脈と静脈を直接つなぐ、体温調整のための近道のような血管です。

体温が上がると、ここに一気に血液が流れ込み、外へ熱を逃がす役割を果たしているんですね。

しかも、この血管を通る血液の量は、細い毛細血管とは比べものにならないほど多いとされています。

つまり、手のひらを冷やすと、そこで冷やされた血液が体じゅうを巡って、深部体温をじわじわ下げてくれる、という理屈です。

 

熱を逃がす出口を、外から手伝ってあげるようなイメージだと考えてください。

暑い日に冷たい飲み物の缶を握っていると、なんだかホッとするあの感覚。

あれも、知らないうちに手のひらから熱を逃がしていたのかもしれません。

 

首や脇との使い分け

ファでタオル巻き保冷剤を首すじに当てて休む女性

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。

手のひら冷却は、あくまで熱中症を「防ぐ」ための方法だということ。

もし、すでにふらつきや頭痛、吐き気といった症状が出ているなら、話は別です。

その場合は、首の付け根や脇の下、脚の付け根など、太い血管が通る場所を冷やすほうが優先されます。

 

症状が出る前は手のひら、出てしまったら首や脇

この使い分けを覚えておくだけで、いざという時の動きが変わってきます。

自分や家族を守るうえで、ここだけは覚えておいて損はありません。

 

ちなみに、熱中症は対処が遅れると、回復してからも体調に影響が残ることがあります。

そのあたりが気になる方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。

熱中症になりそうなくらいの酷暑の公園
水分補給では防げない?後遺症を残さないための熱中症対策ある夏の日の話、外から帰ってきて玄関で靴も脱がずにしゃがみ込んでしまうことがありました。 水分補給はしていたのに、身体がいうことをきか...

0円でできる手のひら冷却のやり方

仕組みがわかったところで、いよいよ実践です。

うれしいのは、この方法にお金がほとんどかからないこと。

特別なグッズを買わなくても、今日、家にあるもので始められます。

まずは0円でできるやり方から見ていきましょう。

 

凍らせたペットボトルを握る

凍らせたペットボトルを握る

一番手軽なのが、凍らせたペットボトルを握る方法です。

500mlのペットボトルに水を八分目ほど入れて、冷凍庫でカチカチに凍らせておきます。

これを、外出するときにタオルやハンカチで包んで握るだけ。

歩きながら手のひらで握っていると、じんわりと熱が引いていくのがわかります。

 

溶けてきたら中の水を飲めるので、水分補給も一緒にできて一石二鳥です。

うちの冷凍庫には、飲む用と握る用で常に二本立ててあります。

冷凍庫にケーキ用の保冷剤が眠っていれば、それを握るのでもかまいません。

荷物にもならず、手首や首にそっと当てることもできます。

洗面器に水を張って手を浸す

洗面器に水を張って手を浸す

家の中で本格的に冷やしたいなら、洗面器を使う方法がおすすめです。

洗面器に水を張り、氷を一つ二つ入れて、両手のひらを五分から十分ほど浸します。

夕方に外から帰ってきたとき、お風呂の前、寝る前の習慣にすると、体のほてりがすっと落ち着くのを感じられますよ。

肘まで浸すと、さらに効果的だといわれています。

 

テレビを見ながら、スマホをいじりながらでもできるので、面倒くさがりの私でも続けられているんですよね。

洗面器がなければ、冷たい水で手をしばらく洗うだけでも、少しは違いを感じられるはずです。

 

冷たすぎはNG!10〜15℃が目安

洗面器に水を張って手を浸す

ここで一つだけ、必ず注意してほしいことがあります。

それは、冷たすぎてはいけないということ。

「よく冷えるほど効くだろう」と、氷をそのまま手のひらに当てたくなりますが、これは逆効果なんです。

あまりに冷たいと血管がキュッと縮んでしまい、かえって熱が逃げにくくなってしまいます。

 

目安は10〜15℃くらい、ちょうど「冷たくて気持ちいい」と感じるくらいの温度です。

プールの水より少し冷たいくらい、と覚えておくとイメージしやすいかもしれません。

だからこそ、保冷剤やペットボトルは、必ずタオルやハンカチを一枚巻いてから使ってください。

時間も、長くても十五分ほどにしておくと安心ですね。

手のひら冷却がはかどる便利グッズ

0円でも十分に始められる手のひら冷却ですが、毎日続けるとなると、専用の道具があるとぐっと楽になります。

冷凍庫のスペースを取らずに済んだり、外出先でもさっと冷やせたり。

店頭で大きな保冷グッズを抱えて帰るのは、この暑さだと、それ自体がちょっとした苦行ですよね。

 

その点、通販なら玄関先まで届けてくれるので、暑い中を運ぶ必要がありません。

ここからは、手のひら冷却がもっと続けやすくなる便利なグッズを、タイプ別に紹介していきます。

 

手のひらサイズの保冷剤

まず定番なのが、繰り返し使えるジェルタイプの保冷剤です。

冷凍庫で凍らせておけば、握るだけですぐに手のひらを冷やせます。

柔らかくて手になじむタイプや、手首に巻けるバンド付きのものも見かけますね。

何より安く、洗って繰り返し使えるのがうれしいところ。

いくつか買っておいて、家族それぞれの分を冷凍庫に常備しておくのもいいですね。

最初の一歩には、これくらい気軽なもので十分です。

 

アルミの氷嚢・冷却スティック

もっとしっかり冷たさがほしい人には、アルミ素材の氷嚢やスティック型のグッズがあります。

アルミは熱を伝えやすいので、握った瞬間の冷たさが格別です。

中に氷や水を入れて使うタイプが多く、氷の量で冷たさを自分好みに調整できるのも便利なところ。

外出先に持ち歩けば、手のひらだけでなく首筋にも当てられるので、荷物を増やしたくない人にも向いています。

 

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充電式のハンディクーラー

電源で冷やすタイプのグッズも、近ごろぐっと増えてきました。

スイッチを入れると金属のプレートがひんやり冷たくなり、氷を用意しなくてもすぐに使えます。

充電しておけば繰り返し冷やせるので、氷を切らす心配がありません。

冷たさを保てる時間はバッテリー次第ですが、毎日使う人にとっては心強い味方になってくれます。

 

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たたいて冷える瞬間冷却パック

いざという時のお守りとして持っておきたいのが、瞬間冷却パックです。

袋をたたく、あるいは揉むだけで、化学反応で一気に冷たくなる使い切りタイプ。

冷凍庫のない外出先やアウトドアで、「ちょっと暑さがきついな」と感じたときにさっと使えます。

手のひらサイズでかばんに忍ばせておけるので、部活やお出かけのお供にもぴったりですね。

 

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手のひら冷却で夏を乗り切ろう

手のひら冷却のいいところは、一人でも家族みんなでも、無理なく続けられることだと思います。

たとえば、子どもの部活や外遊びの前に、冷たいペットボトルを一本持たせてあげる。

それだけで、炎天下へ出ていく我が子への心配が、少しだけやわらぐ気がするんですよね。

「ちゃんと持ったか」と声をかけて手渡せば、送り出す側の気持ちも少し軽くなります。

 

部活動での熱中症については、こちらの記事でも詳しく取り上げました。

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夜、寝苦しくて眠れないときにも、この手のひら冷却が一役買ってくれます。

保冷剤にタオルを巻いて、二十分ほど優しく握っていると、体のほてりが引いて寝つきやすくなるのだとか。

冷たさの目安は、自動販売機の缶ジュースくらい。

キンキンではなく、じんわり冷たいくらいがベストです。

朝までぐっすり眠れた、という声も少なくありません。

 

水分をこまめにとることは、もちろん大切です。

そのうえで、体の内側にこもった熱を、手のひらからうまく逃がしてあげる

この二つを組み合わせれば、うんざりするような今年の夏も、ぐっと乗り切りやすくなるのではないでしょうか。

難しいことは何もいりませんし、お金だってほとんどかかりません。

今日の寝る前に、冷凍庫へペットボトルを一本放り込んでおく。

明日の外出が、それだけで少し楽になるはずですよ!